長い文書を作成したり,複数の作者が共同作業を行う場合には,文章を節ごとに分割し,節ごとの担当者が記入したりすれば,同時に作業を進めることが可能です.これは,子文書機能を利用します.
親子文書の作成
既存の文書を親子文書にするには,まず,元のLyXファイルのコピーを作成します.一方を親文書とし,残りの子文書と重複しないように,適宜編集します.
例えば
- 親文書 タイトル,作者などを残して本文は削除
- 子文書1 イントロダクション節
- 子文書2 解法節
- 子文書3 結果節
- 子文書4 文献
といった風に分割します.そして,親文書で【挿入】【ファイル】【子文書】によって子文書を選択します:
親文書では,次のように表示されます:
ところで,子文書には include, input の2つのタイプが選べます.これは
- include: 通常の子文書.子文書の間で,改ページを入れたい気分が高まる.
- input: なんの処理もなしに,機械的に子文書を挿入する.
右の例では,節の文書を include子文書にしており,数学文字の定義マクロを input子文書にしています.
include子文書の特徴は,次の通りです.
- include子文書をクリックすると,子文書を編集することができます.
親子文書のコンパイル
親子文書のコンパイルは複雑です.
- 親文書で,コンパイルボタンを押すと,全文書がコンパイルされます.
- 子文書で,コンパイルボタンを押すと,子文書だけがコンパイルされます.
- 子文書で,別のコンパイルボタンを押すと,親文書がコンパイルされます.
子文書の選択
特定の子文書だけを選択してコンパイルすることができます.これは,親文書で【文書】【設定】【子文書】を選び,【選択した子文書のみを取り込む】を行います.
なお,【カウンタと引用を維持】にチェックを入れると,取り込まれていない子文書にある式番号などは,文書に現れないにもかかわらず,存在するかのように取り扱われます.これは,時と場合によって使い分けます.
*長い節を取り込むとコンパイルに時間がかかる,などの理由で,一時的に,その節をOFFにする場合
→ チェックを入れておけば,式番号や節番号,ページなどを維持できます.
*ある節を完全に消去した文書を作成したい場合
→ チェックを外せば,その節が存在しないかのような文書を作成できます.