プレビューモード
LyXの編集画面は2モードあります.【LyX】【Preference】【操作性】【表示】で選びます.
- 自動プレビューON:どの数式も,直ちにTeXでビルドしてプレビューします.プレビューして良いことは特にありません.編集は,非常に低速になります(M1マックだと,PCが早すぎて,なんの問題もないんだが,Intelではダメだろう).
これです
- 自動プレビューOFF:数式については,LyXの編集モードでプレビューします.PDFにしたときに,かすかに,違う雰囲気で出力されることがあります.編集は高速です.
文中数式の挿入
テキスト中に数式を挿入するには,【Command】M を入力します.すると入力枠ができるので,そこに数式を入力していきます.
入力する数式は,下のパネルで適当に選びます.
まあ,試しにいろいろクリックしたほうが早く覚えられると思います.重要なボタンについては,後で説明します.なお,LyXの【ヘルプ】【数式】のメニューは極めて有能です.どうやって入力するのかにゃ?と思ったら,まず,このヘルプを参照してください.
念のために,もう一度,言いましょう.
ネットや人に聞く前に,【ヘルプ】【数式】を見やがれ〜
これが充実しているので,ネット上に情報がないのだ.
独立数式の挿入
独立した数式は,【Shift】【Command】M で入力できます.
独立した数式には, 式の上で右クリックして「現在行を付番」などで数式番号を入力できます:
数式マクロの定義
よく使う数式に,名前をつけて,手短に入力することが可能です.例えば
これは,数式中で\R と入力して出てくる文字を定義したりしています.引数を取ることもできます.上のROTコマンドでは, \ROTと入力すると
こんな風に,引数の入力枠が現れます(ちなみに,このROTコマンドは,数式を90度反時計回りするコマンドです.).
その下の\hsmash, \vsmashは引数が2つあります.これらは, \vphantom & \hphantomコマンドの応用で, \hsmash{印字する文字列}{スペース確保用の,印刷されない文字列} とすると,確保文字列の大きさの空白の中に,印字文字列を印字する,ということになっています.
これらを定義するには,をクリックします.すると定義枠
が出現します.なお,定義枠は,ふつう,常識的に,まあわかることではないか,とは推測するのですが,文章の最初の方に置くことが,よいですね.定義枠の前方では,定義したものが,利用できませんからね.
で,newmacroname のところに,重複しないコマンド名を書きます(コマンド名は英字で作成してください).TeXのコマンドとも重複してはダメです.そう言われてもTeXのコマンド名を覚えていないでしょうから,長めで独創的で,常識を逸脱した名前,例えばrotateOneとか KatsuraKBFDCC とかにしておけば大丈夫です.で,左側の四角に,印字する数式を記入します.印字する数式にTeXコマンドなどが現れて,編集画面が乱れて困る場合には,編集画面での表示方法を右側の四角に書いても良いです.引数を調整するのは,このボタンを使わなければなりません:
もちろん,【文書】【設定】【LaTeXプリアンブル】に,従来型のLaTeXマクロを記入することも可能です:
常識的数式テクニック
数式は重要な要素であるので,当然そうだろ?ということについて書いておきます.
- (),[] などは(, ), [, ]などのキー入力ではなく,
を用いるべきです.右から丸括弧,角かっこ,中かっこです.馬鹿じゃないんですから,数式を書くときに,
みたいに書いてはいけません.
- 正しいのは,内側から順に,丸括弧,角括弧,中括弧,の順です.つまり下図のやつ:
- せっかく,常識的にボタンが並んでいるので,逆らわないでください.
- 文部科学省は,({[]})であると宣言し,中高教科書を統一するだけでなく,なぜか,明確に教授するように定めています.和製ガラパゴスがいつの日か世界制覇することを夢見ているのでしょう.文科省に従いたい人は,世界と戦ってください.1億人と79億人で勝負しても勝ち目はないと思います.
- ボタンを使って括弧を入れておくと,コピペするときに,括弧ごとコピーできて楽チンです.
- では絶対値 | | とか,ノルム || || はどうすれば良いかというと,右の [■]ボタンを押すと
で入力できます. - 複数行の数式は,二本クリックで【AMS環境】【AMS align】を選んでください.下図のように入力できます:
- AMS align の枠の数は,行列ボタンで増減できます.
- AMS = American Mathematical Society
- 数式中でリターンキーを押すと, eqalign環境になってしまいます.下の図のものです.出来栄えが汚く,入力数は多く,枠の増減は不可能です.つまり,使えない子です.
eqalignを使っている奴は,間違いなくnoobですので撃破可能です.
クリックするの,だるいっす
LyXの数式入力機能は高く,TeXが入力できます程度のユーザーでは書けないものも簡単です.が,だんだん,マウスを操作するのが面倒になります.そんな時には【CMD】Mとか【CMD】【Shift】Mで数式だけ開いて,いきなりTeXのコマンドを入力すれば良いのです.例えば
- いきなり【^】を入力すると上付き添字, 【_】を入力すると下付添え字にできる
- 【\int】と入力すると\(\int\)が, 【\sum】と入力すると\(\sum\)が出現する. \exp とか \lim とか
- 【\bmatrix】と入力すると\(\begin{bmatrix}\square\end{bmatrix}\)が出現するし,【\pmatrix】\(\begin{pmatrix}\square\end{pmatrix}\) 【\vmatrix】\(\begin{vmatrix}\square\end{vmatrix}\) も書ける.
- TeXなんて,覚えてねえだと?心配ない.途中まで打つと,「これっすかー?」と表示されるので,選ぶだけ:
TeXコマンドが知りたい
LyXは便利ですが, それだけでは世間は渡れません.例えばKeynoteでプレゼン作ろうとして【挿入】【方程式】をすると
いきなりLaTeXコマンドを入力しろと言われてしまいます.残念,覚えてないので入力できません.仕方ないのでPowerPointで作成しようとしましたが,アレの数式はちょっと.そこでMacTeXにもれなくついてくるLaTeX-itを使うと
またまた, LaTeXコマンドを入力する羽目になります.
心配ありません.普通通りにLyXを使って数式を書き, 【表示】【コードプレヴー】をすると
下のように, 「TeXが好きなら,こう入力したまえ」が出てきますので,訳がわからなくても,この謎コードをコピペしたら良いのです.
なお,黙っておくと「カーソル行」しか表示してくれないので,形式とか範囲を適当に設定してくださいね♡