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初期条件

気体および領域がロックされていると, 領域ツールのメニューが次のように変わります:

region-menu

【初期条件】を選ぶと, 初期条件ツールが起動します:

initial_condition

ウィンドウの最上部に,ここで設定する領域・グループの名称が表示されています.

  • 編集後,【保存】ボタンを押すと保存が実行されます.
    • 未保存なのにツールを閉じようとすると文句を言われます.
  • グループで初期条件を編集すると,配下のすべての領域の初期条件が一斉に更新されるので注意
    • 途中で【領域】ツールで別の領域を選択したり,【気体】ツールで別の成分気体を選ぶと,それらの領域・気体の編集に変わります.

初期条件の種類

【初期化タイプ】では,初期条件のタイプを2通りから選べます.

  • 【一様平衡状態】  「平衡状態」と表示されてしまっています
  • 【インポート】

なお,初期値は気体成分別に設定可能です.現在設定しているのは,【気体ツール】で選択している成分気体です.気体ツールで全混合気体【*】が選択されている場合,全ての気体に同一の条件が設定されます.

他の表示もあります:

  • 【不足】   初期値が未設定の領域を含むグループで表示されます.
  • 【未設定】  初期値が未設定の領域・成分気体で表示されます.
  • 【不定】   初期値が全て設定済みですが, 同一ではない場合に表示されます.

一様平衡状態

初期状態として,(該当する成分分子の)数密度\(n\), 流速\(v_X,v_Y,v_Z\), 温度\(T\)が一様な平衡分布を与えます. 全て無次元量で【一様流の詳細設定】に設定します. 面倒ならば, 【デフォルト】ボタンを押しましょう.定義は次の通り:

  • 【number density】無次元数密度は, 基準圧力\(p_0\), 基準温度\(T_0\)を用いて次式で定義します:\[ \frac{n}{n_0} = \frac{p}{p_0}\frac{T_0}{T}\]まあ要するに,初期圧力・温度が基準量なのであれば, 1ですね.
    • 混合気体の場合, 該当成分のモル分率にするべきです. \(N\)成分混合気体で各成分気体の無次元数密度を1にすると, 混合気体の無次元数密度は, もちろん, \(N\)になります. 初期において基準の\(N\)倍の数密度で良いですか?
  • 【velocity】有次元速度 \( (v_X,v_Y,v_Z) \)に対する無次元流速を入力. 無次元流速の定義は, 境界条件のページでも述べた通り\[ \left( \frac{v_X}{\sqrt{2\kappa T_0/m_0}},\frac{v_Y}{\sqrt{2\kappa T_0/m_0}},\frac{v_Z}{\sqrt{2\kappa T_0/m_0}} \right) = \sqrt{\frac{5}{6}}\left( \frac{v_X}{c_0}, \frac{v_Y}{c_0}, \frac{v_Z}{c_0}\right) \] \(m_0\): (基準)分子の重さ, \(c_0\): 基準温度における音速.
  • 【temperature】温度\(T\)に対する無次元温度\[\frac{T}{T_0}\]を入力

インポート条件 

DSMC 初期条件として, 解析済みの別ケースの状態を取り込みます. 取り込み時に,以下の追加作業を行います;

  • 領域形状が異なる場合,引っ張って伸ばして無理から当てはめる
    • シミュレーション同士で「粒子当たりの分子数」が異なる場合, 適当に調整を行う
    • 【粒子数合わせ】をONにしておくと, 流速や数密度が変化しないように,シミュレーション粒子数を調整します.
  • (運用停止中) 領域の方向を回転させてから取り込む
  • 取り込む際に,以下の操作を伴います:
    • 無次元分子速度に【一様流の詳細設定】【velocity】を追加して加速
    • 無次元温度(分子のランダム運動速度)を【一様流の詳細設定】【temperature】倍にする
    • 無次元数密度を【一様流の詳細設定】【number density】倍にする
  • 【ケース一覧】取り込み元の計算ケースを選択します.
  • 【rid】取り込み元の気体領域を指定します.
  • 【gas】取り込み元の気体成分を指定します.