論文では,参考文献をかかなければなりません.参考文献は,本文中の適切な場所で引用しなければなりません.引用しない場合,学位が剥奪された人がいましたね.
で,文献を入力する方法には,面倒臭く間違いが入りやすい「手動入力」と,間違えないで簡単な「自動入力」の2通りがあります.
日本語を含む場合, 自動入力はサポートされていません(文献リストを選ぶ窓が空っぽになるバグがある).
2019年に予定のLyX2.3では可能になる可能性が数%あります.←ちょっと微妙ですが一応可能になった
手動入力
- がんばって
- 乳力! いや,いまどき, キーボードで入力なんてバカな事する奴が存在するとは思えないけど,ミスタイプしたいなら,頑張って乳力しえください.大変だね〜
- それではわからない場合,次のように行います.
- 【文章】【設定】【LaTeXプリアンブル】に \usepackage{cite} を追加しておいた方が,後々幸せになれる
- 文章の終わりに,書誌情報を作成
- で,文献データを入れて,グレーの部分をクリックして「キー」をつけときます.
- で,山盛り文献データを入力したら,本文でも引用できます.引用したいところで【挿入】【文献引用】
- さっき入力した文献データが左に出るので,引用したいやつを右の表に入れる
- この方法では,文章最後の文献データを入力した順に番号がつきます.引用した順にはなりません.あなたが,手動で,番号が綺麗に並ぶように,文献データを並び替える必要があります.
- 番号の並び替えであるとか,文献データの書き方が,あーいやだ,という向きは,頑張って下記の「自動入力」しましょうね.
自動入力
似たようなものを入力する場合,データベースを利用した方が良いです.他人が使っているものがネットにあったりもするかもね. お友達とEndNote共有とかもありだろうが, ここでは原始的なBIBTEXを紹介します.
- 【文書】【設定】【書誌情報】で【処理娘】をbibtexちゃんにします.
- 文書の終わりに,【挿入】【一覧・目次等】【bibtex書誌情報】
- どこからか,bibファイルを持ってきます.
- たとえばAIPだったら,下記のように
- 別の方法として,GoogleScalarにBIBTeXを言わせるという手ももあるみたいですね.
-
AIPがゲロるbibtexの文献情報は, 論文タイトルなどに含まれる「ハイフン」- が,ユニコード文字になっているのでTeXが理解しないので注意. なんかーがあったら,消して半角マイナス「-」に直して保存な
Elsevierも面白いことしてるぞ?Tadashi という日本人名は, Ta-i に変換されてジャーナルに保存されいる.Taダッシュi って,まるでクイズだが.このダッシュのおかげで,TeXがバグるので注意
- たとえばAIPだったら,下記のように
- bibファイルをクリックすると,知らないソフトが起動しますので,それを使って文献データベースを作ります.たくさん文献を追加すると,下の図のようになっていくはずです.
- わざわざ人間がデータベースを入力するのは面倒です.別の文献を追加するには,ダウンロードした別のBIBファイルを,ウィンドウの左のほうのどこかにポイっと投げると,そこに入ります.
- 上のsample.bib の図では, KEYWORDが全部EMPTYなので,分類されていません.これでは困りますね.
- そこで,各個の文献をクリックして,KEYWORDをつけて差し上げるの
各文献に[KEYWORD]をつけて分類すると,下の図のようになります- この場合,あたらしい BIBファイルを,左欄のKEYWORDの該当する部分にぽいっと放り投げると,そこに入ります.
- 放り投げた奴は, Last Importに出てくるので,適宜修正してデータベースを保存します.
- データベースができたので,LyXでデータベースを挿入します.さっきの操作で【BibTeXが作成した書誌情報】が文書に入っているはずですので,くりこ
- こんなのが出るので,【追加】【一覧】で,おまえのファイルを追加します.
- 文献の表示の仕方は,【引用スタイル】で調整します.
- 学会によっては,引用スタイルはこれです,という bst ファイルが提供されていたりします.
- それが,さいしょっから【引用スタイル】にあればラッキーです.
- アンラッキーな場合,/usr/local/texlive/texmf-local/bibtex/bst/学会名/そのファイル.bst にコピー
- sudo mktexlsr
- さっきの画面の【再捜査】
- これで準備完了です.
- 文献を引用するには,二通りの方法があります.
- LyXで,【挿入】【文献引用】
- データベースソフトで【Action】【Send Selections 2 LyX】
- LyXで,【挿入】【文献引用】
BIBファイルをマージ
自動入力を使っていくと,「A先輩のBIBファイル」「B先輩のBIBファイル」を両方使いたい,なんてことが出てきます.先ほどから登場している,名称不明のデータベースソフトで,文献データベースを混ぜてしまいましょう.
まず,混ぜ合わせた結果となるBIBファイルを開いておきます:
そこで, 【Publication】【New Publication from File】を選んで,混ぜたいBIBファイルを指定します.
混ぜると, 重複データができますよね.これは
このように検出されます.検出うっかり外しちゃったら【Database】【Select Duplicates】で再度検出できます.
ダブってるのは【Delete】ボタンで消去してしまいましょう.
日本語の文献を自動入力する方法
どういうわけか,日本語文献bibを分けておかなければなりません:
この例では,英文論文がreference.bibに,和文論文が reference-jp.bib に入っています.文献の選択などでは,どちらのbibファイルに入っているか,などは区別されません.どうなっているんでしょうね?
日本語の文献文字化け
日本語文献が文字化けることがあります.それは, デフォルトの文献処理プログラム BibTeX が欧米人向けだからだそうで,猿はUTF-8を処理可能な BibTeX8 を使うべきなんだそうです.
なんで, デフォルトが BibTeX8 になっていないのか?
BibTeXのとき
そんなときには
文献スタイルって重要じゃねえか?
文献スタイルを設定しないと,文献の番号がソートされず(つまり文献番号がデタラメ),とても変です.ここで設定します:
良いものを選びましょう.
ELSEVIERスタイル
elsarticle-numです.まあとりあえず万能じゃねえか?
SIAM-Journalスタイル
少々古めかしくないか?
AIAAスタイル
まあこれもありな
日本語文献スタイル
電気通信学会IEEE有志が,使える日本語スタイルを開発しています.もちろん日本電気通信学会用のものですが,よくできているので使ってもバレないでしょう.
サンプルは:
まあこんな感じのものです.で,これを使うには
まんず,jIEEEtran をダウンロード
これは, あなたのMacのTeXLiveユーティリティーを使って,なんとか導入してください.
あなたのMacのTeXを改造
LyX2.3にはバグがあり,jIEEEtranを使うには,手動でビルドする必要があります.それは面倒ですので,改造してjIEEEtranを使えるようにしましょう.
改造内容:LyX2.3では,新しい汎用言語の文献処理プログラム upbibtex を指定できません.指定できるメニューもあるはずなのですが,「動作しません」と文句を言ってしまい,前にすすみません.そこで, もう使わなくなった古い英語用文献処理プログラム bibtex と交換してしまい,LyXでは,bibtex を指定することにします.新型は,ある程度,旧型の真似をできるので,バレないはず.
ターミナルで,
% cd /Library/TeX/texbin
% sudo mv bibtex bibtex~
Password: あなたのMacのパスワード
% sudo cp upbibtex bibtex
そこで, LyXではbibtexを指定してあげます:
改造したくないから手動でビルド
もちろん,【ファイル】【書き出し】【LaTeX(LuaTeX)】して myFuckingFile.tex ファイルを出力し
% lualatex myFuckingFile
% upbibtex myFuckingFile
% lulakatex myFuckingFile
% lulakatex myFuckingFile
ほとんどの場合,これで lulakatex myFuckingFile.pdf を作成できるでしょう.
んでは,あなたの文書の文献スタイルを指定
文献スタイル,どうしてもなんとかしたい
という欲望はみんなが持つもののようですね.ここに従って改造してみよう.
plainnatスタイルをもとに変更してみましょう. まずは
$ kpsewhich plainnat.bst /usr/local/texlive/2019/texmf-dist/bibtex/bst/natbib/plainnat.bst
にゃるほど. こげなところにありよるのか.
sudo mkdir /usr/local/texlive/texmf-local/bibtex/bst/local/japanese cp `kpsewhich plain.bst` /usr/local/texlive/texmf-local/bibtex/bst/local/japanese/jplain.bst sudo mktexlsr
まずはコピーした.
なんかもうめんどうなんですけど.
章別に参考文献
各章に参考文献を作ることが可能です.【Help】【高度な機能編】3.1.3 では, まあいろいろある,と説明されていますが, 動作が確認できるのは chapterbibib を使う方法です.
- 子文書別に参考文献を入れることができます.によって, 子文書タイプにしておきます
- 【文書】【設定】【書誌情報】で以下を設定します:
- 各章の末尾に【挿入】【一覧】【BibTeX書誌情報】
これで, 各章の末尾に書誌情報が出力されるようになります.
場合によっては, 参考文献が新ページに入ってしまって困るかもしれません.章別の参考文献であるのに, それはちょいと大げさである.それは・・・もうthebibliographyを改造するしかありませんね.
あんたの文書クラスを探します. たとえばltjsbookであれば
$ kpsewhich ltjsbook.cls
/usr/local/texlive/2019/texmf-dist/tex/luatex/luatexja/ltjsbook.cls
こいつから, thebibliographyの定義を探し出します:
1394 \newenvironment{thebibliography}[1]{% 1395 \global\@jsc@warnoldfontcmdexceptiontrue 1396 \global\let\presectionname\relax 1397 \global\let\postsectionname\relax 1398 \chapter*{\bibname}\@mkboth{\bibname}{}% 1399 \addcontentsline{toc}{chapter}{\bibname}% 1400 \list{\@biblabel{\@arabic\c@enumiv}}% 1401 {\settowidth\labelwidth{\@biblabel{#1}}% 1402 \leftmargin\labelwidth 1403 \advance\leftmargin\labelsep 1404 \@openbib@code 1405 \usecounter{enumiv}% 1406 \let\p@enumiv\@empty 1407 \renewcommand\theenumiv{\@arabic\c@enumiv}}% 1408 \sloppy 1409 \clubpenalty4000 1410 \@clubpenalty\clubpenalty 1411 \widowpenalty4000% 1412 \sfcode`\.\@m} 1413 {\def\@noitemerr 1414 {\@latex@warning{Empty `thebibliography' environment}}% 1415 \endlist 1416 \global\@jsc@warnoldfontcmdexceptionfalse% 1417}
おう, いたいた. こいつだ. 赤のとこでchapterで文献が構成されている.chapterに文献つけたら別のchapterができるので悔ページ,っておかしいだろうが.そこでこいつらをぷりアンブルにコピー.\newenvironment はもちろん \renewenvironmentで. んま, chapter じゃ変だから, section にしたら良い.
ハイパーリンクの付け方
[文章]→[設定]→[PDF特性]で「Hyperrefサポートを使う」にチェック.
また,[一般]→[自動的にヘッダを補完]と[ハイパーリンク]→[リンクの周りに枠をつけない]にもチェック.
添付 | サイズ |
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sample.bib_.zip | 2.98 KB |