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前刷の作成

学会に参加する場合,前刷原稿を提出するのですが,未だかつてLyXのフォーマットを提供している国内学会を見たことがありません.ですが,問題ありません.LyXは,元来TeXを入力するソフトウェアですから,どんなTeXフォーマットでも,簡単にLyXフォーマットにできます.

とはいえ, PDFが粗くなったり面倒なので, えいやっと自作するのもアリかもしれませんね.

学会がTeXファイルを要求している?大丈夫です.LyXで入力し,投稿する前に「pLaTeXで書き出し」したら,普通にpLaTeXの送付ファイル一式が出力されます,国内学会は,まず絶対にpLaTeX一本です.あーまあ,Elsevierみたいに外国相手でしたら,「pdflatexで書き出し」ですね.そのままWebサイトに送りつけちゃってください.

ここでは日本流体力学会年会フォーマットをLyX化してみます.

  1. 奴らは,nenkai2028.cls などというスタイルを提供しています.
  2. そこで,nenkai2028.layout というファイルをエディターで作り出します.
  3. 内容は次の通り
    #% Do not delete the line below; configure depends on this
    #  \DeclareLaTeXClass[nenkai2028]{nenkai2028}
    Format 35
    Provides japanese 1
    Input article.layout
  4. 最後の,article.layout ですが.まあ一番形式が似ている標準スタイル(article/report/book)を選んでおけば大丈夫です.まあ普通 article でいいんでは
  5. ときおり,学会提供の .cls ファイルの日本語コードが ShiftJISだったりします.それではトラブってしまいますので,UTF-8に変換します:
    • ターミナルで, piconv -f sjis -t utf8 nenkai2018sjis.cls > nenkai2018.cls
    • テキストエディット.app で,名前をつけて保存するときにも,日本語コードを指定できると谷口が言っていた.

では,作成したLyXフォーマットを使ってみましょう.

  1. 日本語文書を作成します.
  2. 【文書】【設定】で,【文書クラス】で,【ローカルのレイアウト】をクリック
  3. さきほど作成した layout ファイルを選択
  4. 【適用】
  5. さて,たいていの学会フォーマットでは,論文のタイトルなどのTeXコマンドが指定されているはずです.それを,以下のように入力します.
  6. 【挿入】【TeXコード】ここに,学会で指定されているコマンドを入力します:
  7. 入力し終わったら,最後に【挿入】【TeXコード】で \maketitle を入力しましょう.
  8. まあよくある話ですが,これだけではエラーが起こることがあります.その場合,【文書】【LaTeXプリアンブル】になにかすると,動作するでしょう.
    • 流体力学会年会の場合,ここで
      \title{ぼけか,おまえ}
      と入力すると,動作しました.
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添付 サイズ
日本流体力学回年会の場合.zip 115.49 KB