LyXでは,次のような画像を挿入することができます.
- PDFファイル:2016年現在,オススメの画像形式です.ですが,日本語文書だと,LuaTeXを使わないと解像度が低下します.
- SVGファイル:PDFはAdobeの規格ですが,そのオープン版の規格です(動かなかったらinkscapeインストーれ).
- EPSファイル:日本語を使う場合には勧められる画像形式です.
- 半透明という表示方法をサポートしていません.透過するような図は,変形してしまいます.
- JPGファイル:画像データですが,LyXで利用できます.
- 昔のLyXではここに示す手間がかかります.
- 雑誌に投稿する原稿では,規定によって投稿できない場合が有ります.(PDF/EPSに限る,というケースが多いです)
- TIKZ図:挿入する画像を作成する代わりに, ここで画像を作成できます.
サンプルは添付のsample1.lyxです.
PDF/SVG/各種画像ファイルの場合
- 【挿入】【フロート】【図】
- 【編集】【段落設定】で【中央揃】
- 【挿入】【画像】【一覧】でfig1.svgを選択
- あとで参照できるように,【挿入】【ラベル】で,図に名前をつけておく
- 挿入した図の上で右クリックして【外部で編集】すると,Inkscapeが起動して編集できる.保存したらLyXに自動的に反映される
- 同じノリで,EPSふぁいるやPDFファイルも挿入できる.
- PDFにした時に,どのようなサイズになるか.それは,画像をクリックして,下の枠内で決めます;
- 編集画面で,どのようなサイズになるか.そんなのどうでもいいと思うんですが,下の画面で画面上の縮尺を変更できます:
-
図の縦方向の位置は, 制御できません.それでは嫌だ!と言う人は, 【ゔん書】【設定】【プリアンブル】に
\usepackage[export]{adjustbox}
を入れましょう.そうすると, 画像をクリックして出てくる【画像】の
LaTeXオプションが使えるようになります.上では raise=3cm と書いてますが,すると,図が3cm上に上がります:
- 図の横に来るべき文章の前で【挿入】【フロート】【折り返し図】
- デフォルトである程度の表示にはなる.
- いろいろ変えたければ,LyX画面の【折り返し図】で右クリックして【設定】
- 配置の左右
- 図の幅の割合
- 図が本文で何行分に相当するか
TIKZの場合
画像ファイルの挿入ができない場合もあります.例えば\[\int_\text{ここ}\]には画像が入れにくいですよね. その場合には, 「その場で描いてしまう」と良いかもしれません.
まず【文書】【設定】【LaTeXぷりあんぶる】に \usepackage{tikz}\usepackage{contour} を入れましょう:
んで, 【文書】【設定】【出力】で【☑️】外部プログラムの実行を許可
では作図しましょう. 一番簡単なのは, 便利コマンド\tikz すなわち \tikz{作図コマンドたち} で作図ができる,ってやつですね.
例
\tikz{\draw[fill=red!20](0,0)rectangle(2,1);}
これは(0,0)から作図を開始する. なお作図を透明度20%の赤色で塗りつぶす, という宣言です. で, (0,0)から(2,1) cmの座標点まで長方形を描くのだ. もちょっと描いてみよう.
\tikz{\draw[fill=red!20](0,0)rectangle(2,1);\draw[fill=red!30](2,1)--(2.5,1.5)--(2.5,0.5)--(2,0)--(2,1);\draw[fill=red!35](2,1)--(2.5,1.5)--(0.5,1.5)--(0,1)--(2,1);}
この「--座標」ってのは, 現在位置からその点まで線を描きます.というわけで,結果はこんな感じ
drawのオプションは
- fill=塗りつぶし色
- draw=線の色
- line width=線の太さ
- dash pattern=点線パターン
図形の仲間は
- rectangleサイズ 長方形
- circleサイズ 円形
- --座標 線を描く
- 座標 ペン先を移動する
- node{文字} 文字や$数式$を描く.
- 場所を指定したい場合, node[at={(2.3,5.5)}]{もじ・・・} とせよ
添付 | サイズ |
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sample1.zip | 51.82 KB |